2017年

3月

08日

冬の終わりは春の始まり

 

3月になりました。

こちら西湖では、冬はまだ終わらないといった感じで、寒い日が続いています。樹海や山には雪が解けずに残っているし、例年では4月になってからも数回は雪が降る日もあるので、まだまだ炬燵・ストーブは手放せない日々です。

 

それでも3月という声を聞くと、春はもう少しという感じで、ちょっと気持ちが軽くなりますね。日差しも心なしか、温かみを増してきているようです。

 

そんな中、ハッピービレッジでは3月が年度末ということもあり、昨年4月からの年間の活動を振り返りました。活動をまとめた詳細は、メニューの『活動』より、『平成28年度こんな活動をしました』をご覧下さい。

 

 

さて。

私達は「自然環境保護」と「文化の伝承」を中心に活動させていただいていますが、28年度実施した活動の種類としては、本法人の定款の非営利活動の中より、

「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る」

「子どもの健全育成を図る」

「環境の保全を図る」

「まちづくりを図る」

「社会教育の推進を図る」

を実施。

 

この1年間で、富士北麓の歴史・文化・自然を、地域や他県の小・中学生とたくさん学び、楽しみ、深め、共有させていただきました。そんなあたたかく心に残る活動は、私達の宝物です。

 

中でも、28年度ならではの特色もありました。この年度末、振り返ってみたいと思います。

 

最初は、西湖のクニマスのことです。

絶滅種であったクニマスが、西湖で発見されてから7年。記憶にある方もいらっしゃると思います。

秋田県の田沢湖で近代化により、固有種(そこにしかいない生き物)であるクニマスが絶滅したのは70年も前のこと。当時田沢湖では、絶滅する前にクニマスの卵を全国のいくつかの湖に配りました。が、その後、他の湖で生き延びているという報告はありませんでした。発見者には懸賞金までついたものでしたが。

 

それが、西湖で発見!

発見時は天皇陛下から、クニマスは奇跡の魚だというお言葉をいただきました。それは偶然の重なりがなければ起こりえない奇跡だった、という意味でもありました。

 

昨年春に、溶岩洞窟のコウモリ穴展示室では水槽を置いて、実物のクニマスが見学できるようになりました。西湖沿いにある樹海を散策しがてら、絶滅種だったクニマスを、気軽に目の前で見れることになったのです。うれしい展開でした。

 

そんなこともあり、28年度の私達の『演劇鑑賞会』では、クニマス発見時に上演した「クニマス物語」の演目を、リニューアルして再演しました。

世界的な発見が地元で起きたこと。

環境問題とは何か? 

命の重さとは何か?・・等々。

 

今回は、発見時より時間が経っているからこそ、芝居作り・内容を、じっくり深めることが出来ました。

それは“子供たちにより深く、クニマスが西湖に存在する背景や意味を伝えること” に通じたのではないかと思っています。

 

西湖にいる貴重なクニマスのことは、今後も機会があるごとに、心を込めて伝えていきたいと思っています。

 

 

次にーー

H28年度は  “台風による土石流災害・足和田災害”  から半世紀を経て 、“50回忌” が過ぎたという節目でもあったので、私達が自主制作した “足和田災害のドキュメンタリー映画” 『西湖メモリー』上映会を、何回か実施出来たことでした。

それは  “かつての自然災害で、全国でも被害規模が大きいということで、重要視されている場” (この災害から「土石流」という言葉が生まれ、以後使われるようになったそうです) に、本拠がある本法人の意味を、改めて感じたことでもありました。

 

上映会では映画上映後、

『自然の「恵み」につきものである「脅威」とは何か?』

を、参加の方とディスカッションしたり、今後防災意識の向上を図ることが、尊い命を亡くされた犠牲者を悼むことになるのではないかと、思いを共有したりと・・

言葉では言い尽くせない時間を共有させていただきました。

 

上映会の場は、大人(公共施設等で)はもちろん子供だけ参加の場(地元小学校の授業等)であっても、どの場も深い癒しの空間となりました。

 

日本は2011年の東日本大震災以来、地震や火山活動が盛んになって地球の活動期に入ったと言われる昨今ーー私たちはこの動きに対して、どう心構えをしていき、どう生きていけばいいのか・・考えざるを得ない状況です。

そんなことも含めて上映会では、参加の方と考えていく機会になれば、と思います。

 

これが、H28年度ならではの活動で思ったことでした。

 

私達はNPOとして発足し、活動を始めて5年あまりが経ちます。

ワクワクするような楽しかったことを思い起こせば・・あっという間だったような。

ああでもない、こうでもないと、試行錯誤したことを思い起こせば・・長かったような。

それでもどちらにせよ、5年という時間はとても得難い・・ありがたい時間でした。

 

5年という区切りの節目を迎えて、この4月からの新年度H29年度を、また心新たに始めたいと思います。

どうぞ、よろしくお願いいたします!

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2019年

4月

29日

新年度 春

 

山桜や、

 

 

山ツツジ。

 

 

・・咲き出しました!

ぱぁっと可愛い桃色の乱舞。

 

この色は

西湖に春が来てくれた知らせです。

 

濃い茶色や緑色しかなかった冬の樹海に。

 

 

 

4月のアタマまで雪が降ってた標高900m超えの寒冷地に。

春の訪れはホントに僥倖です。

 

薄かったり濃かったりする・・いろんな桃色が、ワーッと心に迫ってきます。

 

今、森のそこここで、冬眠していた野生動物もガサゴソゆっくり動き出し、

樹木の若芽も飛び出してくるタイミングを待っている時期です。

野鳥のさえずりも、ひときわ賑やかになってきています。

 

 

動き出しましたよ。西湖の森。青木ヶ原樹海。

 

ちょうど元号も、「平成」から「令和」になります。

 

4月から新年度に入ったハッピービレッジ・・今年度もどうぞよろしくお願いいたします!

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2019年

3月

24日

春の訪れ

3月ももう終わろうとしていますが、皆さんお元気ですか?

 

4月から新しい生活が始まる方も、多くいらっしゃるかと思います。

 

始まることは、ドキドキもし、同時にワクワクもし、微妙ですね。

 

そんな新たな季節の変わり目…どうぞじっくりご自分と向き合って、楽しんで下さい。

 

樹海の片隅では、そんな春がおとずれたしるしがありました。

ふきのとうが顔を出し始めたんですね。この季節ならではの風物詩でもあります。

 

酢みそ和えにしたり、天ぷらにしたり、ちょっと苦いけれど独特な味わいがある。

一説によるとそれを食べれば、冬に溜め込んだ体の毒素を消して、春バージョンに変えてくれるそうです。

 

自然の力は素晴らしいですね。

いつも自然からたくさんのことを教わってる私です。

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2018年

4月

28日

新年度の始まり

 

 

春ですね〜。

新年度の始まりです。

こちらHappy Villageも活動時期に入りました。

 

 

 

 

 

 

樹海では桜が葉桜になったところです。

一番いい季節ですね。

銀竜草なんていう、不思議な腐生植物もちらほら顔を覗かせ出しましたよ。春の樹海名物です。今年はちょっと早めですね。

 

これから大型連休。みなさんどうお過ごしでしょうか?

森での癒しのひととき、山での開放感ーーなどなど。ここならではの自然を楽しみに、ぜひいらしてください。

 

 

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2018年

1月

05日

新しい年

富士山頂にて

 

 

2018年、新しい年が始まりました。

今年はどんな年になるでしょうか? どんな出会いがあるでしょうか?

 

みなさんにとって素敵な年となりますように。

 

Happy Villageはそんなみなさんに、富士の自然と物語の世界をお届けします。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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2017年

7月

08日

地元小学校でのお芝居

 暑い日が続きますね。

そんな中、7/5に地元小学校でお芝居の公演をしました。

私の大好きな演目のひとつです。

「せのうみものがたり〜命のつながりの巻」

 

物語は1200年前まであった湖・せのうみ(富士山の噴火でマグマが流れ込んで、無くなってしまった幻の湖です)の“或る村”を舞台に、主人公の少年が生きていくために命がけの経験をして、大人になっていくという内容です。

 

現代はいろんな文明の機器やシステムに囲まれて暮らしていますが、このお芝居の縄文時代の世界ではーー

「1日」は、日が昇ると始まり日が沈むと終わるという暮らし方。

人も他の動植物と同じように、生態系のサイクルの中で生きていました。

食べるものひとつとっても、全て自分で採って自分で加工していました。自給自足の最たるものですね。

 

主人公の少年は大人になる通過儀礼として、初めて男たちの狩りに参加します。大人の仲間入りです。もちろん最初は有頂天! けれどそこで待っていたものは・・

 

この続きは興味がありましたら、

どうぞ機会を作ってお芝居を観て下さい(笑)

 

その頃の生きていくという感覚がどういうものだったのか?

現代人の私達には、想像の範疇を超えることはできません。

けれど、こんな価値観・こんな世界観があるということを子供に伝えたくて、作ったオリジナル作品です。

 

不便は不幸せに通じることなのか? 

便利になった現代社会は、逆に失ったものがあるのではないか?

最近では何かと話題に昇る、ブータンの穏やかで幸せそうな方たちの顔が浮かんできます。

 

さてではーー

汚れてしまった地球にすべきことは何でしょうか?

 

「エコ」?「ロハスな生活」?

耳障りのいい言葉が踊って、コマーシャル化しているものさえあります。う〜むと思われるものがあります。

とはいえ大きく構えても、現状はどうにもならないものばかりなんですね。

 

そこでーー

第一歩としては、形ではなく、意識の持ちようを変えることなのではないか?ということです。

私達は「自然に還れ〜」(笑)と言いたいわけではありません。

文明の機器やシステムがあるからこそ助かっているもの、便利になってるものもあるからです。

 

温故知新ということでしょうか。生活の中でいいものは取り入れ、無駄になっているものは捨てる勇気とでもいいましょうか。

 

そう。今現在、正しい答えはないのかもしれません。

2017年というーーあらゆる価値観があり、混沌としてしまったルツボな時代に生きている私達は、悩みながら試行錯誤しながら、歩を進めるしかないのでしょう。 

 

そんな現状に本当に微々たるものであっても、一石を投じる機会として・・

このお芝居を観た子供が、今まで当たり前だったことを生活の中で見直す機会になったら、と思います。

 

この公演は、そんな一歩を踏みしめることが出来た、ありがたい時間となりました。

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