3月になりました。
こちら西湖では、冬はまだ終わらないといった感じで、寒い日が続いています。樹海や山には雪が解けずに残っているし、例年では4月になってからも数回は雪が降る日もあるので、まだまだ炬燵・ストーブは手放せない日々です。
それでも3月という声を聞くと、春はもう少しという感じで、ちょっと気持ちが軽くなりますね。日差しも心なしか、温かみを増してきているようです。
そんな中、ハッピービレッジでは3月が年度末ということもあり、昨年4月からの年間の活動を振り返りました。活動をまとめた詳細は、メニューの『活動』より、『平成28年度こんな活動をしました』をご覧下さい。
さて。
私達は「自然環境保護」と「文化の伝承」を中心に活動させていただいていますが、28年度実施した活動の種類としては、本法人の定款の非営利活動の中より、
「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る」
「子どもの健全育成を図る」
「環境の保全を図る」
「まちづくりを図る」
「社会教育の推進を図る」
を実施。
この1年間で、富士北麓の歴史・文化・自然を、地域や他県の小・中学生とたくさん学び、楽しみ、深め、共有させていただきました。そんなあたたかく心に残る活動は、私達の宝物です。
中でも、28年度ならではの特色もありました。この年度末、振り返ってみたいと思います。
最初は、西湖のクニマスのことです。
絶滅種であったクニマスが、西湖で発見されてから7年。記憶にある方もいらっしゃると思います。
秋田県の田沢湖で近代化により、固有種(そこにしかいない生き物)であるクニマスが絶滅したのは70年も前のこと。当時田沢湖では、絶滅する前にクニマスの卵を全国のいくつかの湖に配りました。が、その後、他の湖で生き延びているという報告はありませんでした。発見者には懸賞金までついたものでしたが。
それが、西湖で発見!
発見時は天皇陛下から、クニマスは奇跡の魚だというお言葉をいただきました。それは偶然の重なりがなければ起こりえない奇跡だった、という意味でもありました。
昨年春に、溶岩洞窟のコウモリ穴展示室では水槽を置いて、実物のクニマスが見学できるようになりました。西湖沿いにある樹海を散策しがてら、絶滅種だったクニマスを、気軽に目の前で見れることになったのです。うれしい展開でした。
そんなこともあり、28年度の私達の『演劇鑑賞会』では、クニマス発見時に上演した「クニマス物語」の演目を、リニューアルして再演しました。
世界的な発見が地元で起きたこと。
環境問題とは何か?
命の重さとは何か?・・等々。
今回は、発見時より時間が経っているからこそ、芝居作り・内容を、じっくり深めることが出来ました。
それは“子供たちにより深く、クニマスが西湖に存在する背景や意味を伝えること” に通じたのではないかと思っています。
西湖にいる貴重なクニマスのことは、今後も機会があるごとに、心を込めて伝えていきたいと思っています。
次にーー
H28年度は “台風による土石流災害・足和田災害” から半世紀を経て 、“50回忌” が過ぎたという節目でもあったので、私達が自主制作した “足和田災害のドキュメンタリー映画” 『西湖メモリー』上映会を、何回か実施出来たことでした。
それは “かつての自然災害で、全国でも被害規模が大きいということで、重要視されている場” (この災害から「土石流」という言葉が生まれ、以後使われるようになったそうです) に、本拠がある本法人の意味を、改めて感じたことでもありました。
上映会では映画上映後、
『自然の「恵み」につきものである「脅威」とは何か?』
を、参加の方とディスカッションしたり、今後防災意識の向上を図ることが、尊い命を亡くされた犠牲者を悼むことになるのではないかと、思いを共有したりと・・
言葉では言い尽くせない時間を共有させていただきました。
上映会の場は、大人(公共施設等で)はもちろん子供だけ参加の場(地元小学校の授業等)であっても、どの場も深い癒しの空間となりました。
日本は2011年の東日本大震災以来、地震や火山活動が盛んになって地球の活動期に入ったと言われる昨今ーー私たちはこの動きに対して、どう心構えをしていき、どう生きていけばいいのか・・考えざるを得ない状況です。
そんなことも含めて上映会では、参加の方と考えていく機会になれば、と思います。
これが、H28年度ならではの活動で思ったことでした。
私達はNPOとして発足し、活動を始めて5年あまりが経ちます。
ワクワクするような楽しかったことを思い起こせば・・あっという間だったような。
ああでもない、こうでもないと、試行錯誤したことを思い起こせば・・長かったような。
それでもどちらにせよ、5年という時間はとても得難い・・ありがたい時間でした。
5年という区切りの節目を迎えて、この4月からの新年度H29年度を、また心新たに始めたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします!
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