長いゴールデンウィークも、もうお終いですね。
皆さん、いかがお過ごしでしたでしょうか?
おうちでゆっくりされた方、里帰りされた方、あちこち遊びに行かれた方、はたまた業種によっては、お仕事の方もおられたことと思います。
けれど、熊本の地震はまだ止みませんね。現地の方は不安定な時が長引くと、体調も心も、さぞきつかろうと思います。どうぞ少しでも、状況がよくなりますように・・・。
今日の記事の題名「立夏(りっか)」ですがーー
昔の暦の二十四節気では、「5月5日の子供の日」から、立夏に入りました。
“夏の気が立って、生きものすべてが活気づく夏の始まり” という意味です。
現代の感覚で言うと、5月に夏が始まるというのは少し早い気がするものの・・・
温暖化と言われている昨今では、春なのに夏日らしい日もあるので、あながち!?
とはいえ--
こちら樹海では、春の花々が顔を出し始めたところです。標高が1000m近くありますからね。でもさすがに桜はもうお終いです。
山桜の花びらが、森の溶岩の上に苔の上に、チラホラ散っています。これが「色」の少ない樹海にとっては、数少ない彩りなんですね。
何しろ「青木ヶ原樹海」の名前の由来はーー
秋に紅葉せず、冬に葉が落ちない針葉樹が多いので、年中 “青々している” からだという説があるくらいですから。普段は緑色と茶色しかないような森なんです。
そこに今、春の花が彩りを添え出しました。
散った桜の花びらもそのひとつですが、散歩の途中に見つけたいくつかを、ご紹介しましょう。
【梅花黄蓮(ばいかおうれん)】
キンポウゲ科の高山植物。花びらの形が、梅に似ています。
“森の妖精”なんて呼ばれている、可愛らしくも凛とした存在感のある花です。
【タチツボスミレ】
日本には60種スミレがあるそうですが、これは日本中の野や山に生息しています。
葉の形がハート型。
散歩途中で見かけると、その日、会う予定でなかった旧知の友人に、バッタリ出会ったような(笑)。
気持ちがホットする、素朴なたたずまい。
【ギンリョウソウ】
銀竜草と書きます。首をもたげた竜の形をしています。
シャクジョウソウ科の腐生植物(葉緑素がないので、動物や落ち葉等有機物から菌類を介して、栄養をもらう)。
白色でもなく銀色でもなく、
その両方を混ぜて透明にしたような・・・
何とも品があるような妖艶なような・・・
不思議な存在感。
ということでーー樹海の花達、いかがでしたか?
森に咲く野生の花は、決して派手ではなく地味です。
が、園芸種と違って、人に見られることを意識せず(?)、
ひっそり、けれどしっかり! 自分の場所で咲いています。
出会うとつい、頬が緩みます。元気と優しさをもらえます。
そんな花も、この森の多様な生態系の一部。ひとりでありながらひとりではない、といったらいいでしょうか。彼女らは森の一部として、ここに溶け込むように生きているのです。
けれどそんなひとつひとつの花を取り上げれば、素晴らしく個性的ですよね。
今日はそんな花達を少しばかり、ご紹介させていただきました。この時期ならではの花も、たくさんあります。よかったらどうぞ、彼女達に会いに来て下さい。
でも当たり前のことですが・・・彼女達に出会っても、連れ帰らないで下さいね。
静かにちょっと、話しかけて下さい。
「形ではない」「物ではない」ーー大切な何かを、
彼女らは気が向けば・・・語ってくれるかもしれません!?
では今日はここらへんで。樹海の近況でした。
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