お芝居「富士山のおはなし」4回目・公演」 ~そもそも私達がお芝居を始めたきっかけとは?~

 

冬の寒い日が続いています。

お変わりないでしょうか?

 

こちら不二せのうみ劇団、「富士山のおはなし」の4回目公演を先日12月9日に地元小学校でさせていただきました。

 

山と湖に囲まれたこの小学校は、私の息子ふたりも通った “ゆったりおおらかな小規模の学校” ですがーー

私たちが地元の言い伝え等をお芝居にするきっかけとなった 、“出発点” の場所でもあります。

地元も地元。子供たちと近所で出会えば、「お芝居のおじさん」「お芝居のおばさん」と、声をかけられる(笑)。

なので公演をしても、地元バージョン的なウケ方もあり(笑)、笑いの渦あり手拍子ありの中で、大いに盛り上がってくれました。

 

思えばーー。

1番最初にこの学校でお芝居をしたのは、今大学生の長男が小学校の低学年だった頃。うちが西湖育成会の役員をした10年以上前、ひと昔前のことです。育成会もお手伝いする西湖の秋祭りの時、考えさせられることがあったからでした・・。

 

そのお祭りでは例年、村の子供がお神輿をかついで、それを育成会の役員が仕切るということをします。

が、・・子供たちはお祭りの意味を知らずにその行事をこなしていました。

 

そもそも秋祭りとはーー田畑の豊作や村人の幸せを、村の神様に願うもの。

今の時代、そんなことを子供が知らないのは当たり前といえば当たり前です。畠をやっているお宅もあるにはありますが、食べるものほとんどをスーパーで買う時代ですからね。

 

「村の神様に豊作をお願いする」

 

と言われても、・・何のこっちゃ?ですよね。

 

だからこそ子供たちにお祭りの意味を伝え分かってもらった上で、お神輿をかついでもらいたいと思いました。

 

そこで思いついたのが、紙芝居。

 

秋祭りの目的や意味、村の神社のいわれを紙芝居にして、お祭りの出し物にしたらどうだろう?・・

そしてそれを子供に作ってもらったら?・・

 

早速育成会で提案しOKをもらうと、私は台本を作り、村の子供たち10数人が遊んでいるところに飛び込みました。

そしてみんなの前で台本を読みーー

 

「この物語の中で、好きな場面はどこだった?」

 

そう聞いて、ひとりに1枚づつの画用紙と絵の道具を渡しました。

そしてそれを絵に描いてみて、と勧めるとーー

 

好きな場面はいろいろでした。(その子その子の個性が出て面白いですね)

すぐに描ける子、描けない子もいて、いろいろでした。

それでも時間がかかろうがかかるまいがみんな一生懸命、楽しそうに手を動かしました。空想の世界に飛んで、キラキラしていました。

 

・・そして出来たのが、この絵たち!

 

 

 

すてきでしょう?

・・子供たちが描いてくれた太古の神様の物語の絵。とても豊かにイメージが広がっていきます。

 

物語は “富士山の女神” と “竜の神様” が恋をするという、西湖の神社・竜宮に伝わる伝承でした。

 

この絵たちが組み合わさり紙芝居となって、秋祭りの出し物デビュー!

もちろん紙芝居のナレーションやいくつかの役のセリフも、すべて子供たち。その背後では、高校生の男の子に和太鼓を叩いてもらいました。

 

おじいちゃん・おばあちゃんは大喜び。秋祭りが盛り上がったのは言うまでもありません。(→絵を描いてくれたこの子達は、もはや社会人・大学生・高校生になっています。 そして時間が取れれば、現在の劇団の手伝いもしてくれたりするんですよ~)

 

これが記念すべき(笑)不二せのうみ劇団の出発点。

その日、お祭りにたまたまいらしていた地元小学校の先生が面白がって下さり、学校でもやってもらいたいと頼まれたことから、すべてが始まったのでした。現在の私たち劇団がある由縁です。

 

さて。もうひとつうれしいご報告。

実はこの地元小学校の6年生が、授業で芝居作りをすることになりました。クラスみんなで選んだ題材が、『海幸彦・山幸彦』の物語。何と!うちの劇団の『富士山のおはなし』の続編なのでした。

 

うちの劇ではコノハナサクヤ姫が三つ子(その子たちの名前は、海幸彦、山幸彦、ホデリの命といいます)の赤ちゃんを生むところまで。【6年生劇団】のお芝居は、三つ子が大人になってどうなるか?・・の物語。

 

う~ん。本当に楽しみ!

私は【6年生劇団】の芝居作りのお手伝いに、今学校に通っています。

今の段階ではみんなで台本作りに精を出しているところ。

 

どういうセリフを言ってどういう動きをしたら、お客さんにその状況を分かってもらえるか?

 

・・人に自分を分かってもらうための“客観性”を理解するまたとない機会です。

大人だってむずかしい課題ですよね。それを12歳の子供たちが、ウンウン頭をひねってがんばっています。

校長先生や担任の先生も熱心で、芝居作りが

“ いかに子供の生きる力の元になるかーー ”

を考えていらっしゃって、~あの場面はどうしたらいいか~あの場面の小道具はどうしよう~と子供に考えさせる形で、一緒に取り組んでいらっしゃいます。

 

こんな子供たちのもの作りの現場に参加させていただいて、私は本当にシアワセ者です。また【6年生劇団】のお芝居制作過程は、おいおい書かせていただきますね。

 

それでは最後にうれしい報告とともに、地元小学校お芝居公演の報告でした。

見てくれた皆さん、参加の皆さん、ありがとうございました!