芸術の秋! ~お芝居の公演 「富士山のおはなし」~

 

秋といえばHappy Villageでは、

食欲の秋・・・じゃなくって(笑)、芸術の秋!です。

 

うちは “自然環境保護” と “文化の伝承” を2本の柱として活動していますが、この秋は “文化の伝承” の方に力を入れています。

中でもお芝居は昨年NPO法人になる前から、「不二せのうみ劇団」の名前で富士北麓の歴史や伝承などをテーマにして、過去10年間、地元小学校などで公演してきました。

 

この10月~12月にかけては地元小学校4校で、公演させていただくことになりました。

演題は、富士山が世界文化遺産登録されて “日本の宝が世界の宝になった” ことを記念しての、「富士山のおはなし」。

 

富士山の自然、歴史、伝承などを題材に物語にして、子供達が楽しんで学べるよう、巻き物形式にした大型紙芝居(役者も出て、音楽の生演奏も入ります)で公演します。

 

富士山の地元に住む子供達が、身近な富士山のことをさらに学び、好きになってくれ・・・

そしてそして。大事に思ってくれたら!という思いで制作しました。

 

初演は10月18日。牧畜業が盛んな地区の小学校様にて。「芸術の夕べ」と題して、子供達だけでなく、保護者の方や地区のお年寄りなど、大勢の方が来て下さいました。

 

 

    紙芝居のはじまりはじまり~♪
    紙芝居のはじまりはじまり~♪

     さて、ではここでその内容を

     ちょっとご紹介しましょう。

 

     まずは巻物になった大型紙芝居で、

     富士山の歴史を紹介しました。

 

 

 

    富士山の噴火の歴史。
    人はいつからどんな形で、富士山を霊山として拝んできたか?の歴史。

    富士山の御祭神が、コノハナサクヤヒメになる前からの神様の歴史。

    そんな “拝む山” から “登る山” となった富士講などの歴史。

    などなど。

 

それから、古事記に伝わるコノハナサクヤヒメの物語に入ります。

         恋に落ちる2人
         恋に落ちる2人

 

天から降りてきたニニギノミコトが、地上の女神様

絶世の美女・コノハナサクヤヒメと恋に落ちます。

 

日本中の山を取り仕切るサクヤヒメのお父さん・

大山津見の命は、サクヤヒメのお姉さん・岩長姫も

一緒に嫁がせることにしました。

 「姉の岩長姫も、もらってはくれまいか?」
 「姉の岩長姫も、もらってはくれまいか?」

 

ところが・・・

 

ニニギノミコトは美しくない姉の岩長姫を嫌がり、

美しいサクヤヒメだけを娶ります。

   岩長姫の悲しみ
   岩長姫の悲しみ

 

お父さんは怒ります。

 

「なんていうことだ。何も分かっちゃおらん!

花のようなサクヤだけを選んだのだから、

これから神の命は、はかなく短くなるであろう!」

           父の怒り
           父の怒り

 

お父さんの言葉は、これからの世の中への予言でもありました。

 

この結婚以来、神様が国を治める時代は終わり、人間の時代になっていくーーからです。

        神様の国から人間の国へ
        神様の国から人間の国へ

そもそもニニギノミコトは天照大神から、

「地上に降りて、その国を治めなさい」

と言われて、天から降りてきたのです。

 

つまりこの結婚は、豊かな国を作る使命

があったんですね。

 

 そのためには、

“花のように美しく国が栄えるサクヤヒメ” と、

“雪が降っても風が吹いても、岩のように丈夫で

   長生き出来る岩長姫”

ーーふたりと結婚する必要がありました。

 

さて。結婚してすぐにサクヤヒメには赤ちゃんが出来ます。ところがあまりに早く出来たので、ニニギノミコトは、自分の子ではないのではないかと疑います。

 

ニニギノミコトは天の神様。サクヤヒメは地上の神様。

違うグループの「天」と「地」の神様が結ばれるのは、新しい世界が広がることでもあります。

が、ニニギノミコトは、その子は地上の神の子ではないかと疑ったのでした。

 

         炎の出産!
         炎の出産!

 

う~ん。

けれどサクヤヒメは受けてたつのですよ。母は強しです。


燃える火の中で無事出産できたら、

それがニニギノミコトの子だという、証明だというのです。

 

かの有名なサクヤヒメの炎の出産です。

 

 

          無事出産
          無事出産

 

そして無事出産。何と子供は三つ子でした。

そのうちのふたりが、後に「うみひこ」「やまひこ」

というお話の主人公に成長するのですが・・・

ともあれサクヤヒメとニニギノミコトは仲直り。

 

 

よかったですね~。

美しさと激しさをもったサクヤヒメは、富士山に似ています。その姿の美しさと、いつ噴火するか分からない怖さ・・・サクヤヒメが富士山の御祭神のわけは、ここにもあるのかもしれません。

 

ここで古事記の物語はおしまいですが、個人的に気になることがありました。岩長姫の存在です。その後どうしていらっしゃるんでしょうか?

 

 その後の岩長姫とニニギノミコトの再会
 その後の岩長姫とニニギノミコトの再会

これから先は創作です。

年を経た岩長姫とニニギノミコトが再会して、語り合います。

若すぎて分からなかったこと。豊かな国を作ることとは何なのか。

 

ふたりは何を語り合ったのか?・・・これは想像してみてください。子供達へのメッセージを込めました。

公演を見てくださった方、内緒ですよ~(笑)

      津軽三味線 車谷建太君
      津軽三味線 車谷建太君

 

そして舞台の傍らで音楽を担当してくれたのが、

プロの津軽三味線奏者・車谷建太君。

 

繊細かつ深みのある演奏で、富士山の自然や

古代の神話世界を表現してくれました。
お芝居の厚みが増したのは、言うまでもありません。

 

 

子供たちも1時間、お喋りする子は誰もいず、一生懸命見てくれました。ありがとう~!

 

美味しい牛乳をいただきました!
美味しい牛乳をいただきました!

公演後は、その地区で作った牛乳を子供たちの手からいただきました。

うちに帰って早速いただいた牛乳は、その地区皆さんの気持ちがこもった、優しい味でした。最高に美味しかったです。

 

私達も、のびのびと元気印なみんなの前で、お芝居が出来て楽しかったです。

参加の皆さん、本当にありがとうございました!

 

~追伸~

 

そして公演の翌日、朝TVをつけると、どのチャンネルでも「富士山初冠雪!」のニュースを華々しくやっていました。

おニューの真っ白い帽子を被って、オシャレな富士山。6合目あたりまで、まっさらさら。わぁ。きれい。

何だか・・・子供たちの富士山を想う気持ちが届いたようで、嬉しかったです  ^ ^