「Happy Villageの自然教室」・第1回目開催

学校関係もそろそろ夏休みとなり、ぼちぼち夏本番ですね。

暑中お見舞い申し上げます。皆さん、お変わりありませんか?

 

私個人では、富士山の登山ガイドもしているので、せっせと富士山に登る日々です。

世界遺産の影響でたくさんの方が訪れ、いい面もウ~ムの面も、合わせていろいろ言われている中、この日本一の山がどう変わっていくのか、どう世界で認知されていくのか・・・私も微力ながらエネルギーを注ぎつつ、一歩一歩足を運ぶ日々です。

 

さて、Happy Villageではこの夏から秋にかけて、二つの事業を展開しています。「森の劇場」と「自然教室」。両方とも、地元の子供たちを対象にしたシリーズの事業です。

 

「自然教室」では、

“地元の子が地元の自然を知って、さらに地元を好きになろう!”ーーという趣旨で、地元の山登りをしたり、羊牧場で羊とふれあい、その羊の毛で羊毛クラフト教室をしたりします。

世界遺産になった富士山はもとより、これだけ自然豊かな地に住んでいる自分達の足元の宝を、その歴史も含めて学び、興味を持ってくれたら・・・と、Happy Villageの思いをこめたもの。

 

前回のプログでは、「森の劇場」の1回目の様子を報告させていただきましたが、今回は7月21日に実施した「自然教室」の様子を書かせていただきます。

 

山登りの休憩で、木登りを始めた 子供たち
山登りの休憩で、木登りを始めた 子供たち

まずは、精進湖にあるパノラマ台から本栖湖畔までの登山。

 

地元の元気全開!の、小学生たちが参加してくれました。

 

このパノラマ台には、古い歴史があります。

それを子供たちには、山登りの休憩時にスケッチブックに書いた絵を、紙芝居のようにして見てもらいましたがーー

 

ここで、このプログを見ていただいている皆様にも、少しここの歴史をご紹介しましょう!

 

 

 

      ホイット・ウォーズ氏
      ホイット・ウォーズ氏

明治の時代、イギリス人のホイット・ウォーズという人が、

“どこから見た富士山がいちばんきれいか?”

1年間、富士山の下をぐるりと歩いて・・・

「ここ!」

と立ち止まったのが、精進湖だったそうです。

 

富士山の側火山である大室山が富士山に、

“子供を守る母親のように抱かれた景観”は、

 

今や「子抱き富士」として有名ですがーーその頃は交通の便も良くない辺境の地でした。

          子抱き富士
          子抱き富士

そんなここを、よくぞ見つけてくれました!

 

子抱き富士の下には青木が原樹海が広がり、溶岩がそこかしこに固まる野趣あふれる絶景。

 

ホイット氏はぞっこんとなり、山梨にホテルなどない時代に洋館のホテルを建てて、外国人を大勢誘致しました。

富士五湖では今は、山中湖・河口湖が賑わっていますが、そんな観光の人気は、時代で変わるものなんですね。精進湖が、富士五湖観光の発祥の地だったんです。

 

当時、湖の広場には3~40頭の馬が待機し、お客さんを馬に乗せて、パノラマ台に連れて行ったそうです。

          諏訪神社
          諏訪神社

また精進湖畔には、諏訪神社があります。

 

昔、富士講の方々が、精進口(今ではここから登る者は、ほとんどいなくなってしまった富士登山口のひとつ)から富士登山する前に、この神社でおまいりして、精進湖で身を清めるのが、慣わしでした。

 

神社の横には小学校がありました。子供たちは、これから富士山に登る道者(修行者)をたくさん見かけました。

 

   
       昔の諏訪神社の様子

そしてーー

子供たちは道者を見つけると、こう歌ったそうです。
「銭まけ道者~! 銭まけ道者~!」

 

子供は神様の使いと信じられていた時代のこと。道者たちは子供にお金をばらまいたそうです。

 

いい時代でした。

めでたしめでたし~。

 

と、紙芝居が終わったところで、この日が終わるわけではありません(笑)。

さてさて。精進湖の歴史を少しご紹介したところでーー

山登り続行です!

 

 

 

 頁岩を見つけて、調査・研究する子供たち
 頁岩を見つけて、調査・研究する子供たち

 

登る途中、普段は見かけない石を見つけて(頁岩←硯になる石)、子供たちはいきなり岩石調査隊になったりしながら・・・

 

はーい、がんばりましたよ。

昔は馬に乗って来たパノラマ台。みんな自分の足で登りました。

        パノラマ台、頂上!
        パノラマ台、頂上!

 

やっほう!

 

ホイット氏が感動した絶景は、時代を超えてーー

現代の子供たちをさらにパワーアップ。

 

お母さんの作ってくれた美味しいお弁当の後には、

休みもせず、鬼ごっこを始めました。

そしてあっという間に本栖湖に下った後は、本栖湖の南西にある「川尻金鉱跡」の探検に出かけました。

 

ここは山梨県・下部町にある「湯之奥金鉱」のひとつ。

戦国時代~徳川初期まであった金山で、武田信玄が開拓し、ここからとれる「金」を、武田の軍資金にしたといわれるところです。が、時と共にこの遺跡は埋もれていき、かつて金山があったことすら忘れかけられている・・・

 

そんな話をしたらパノラマ台登山隊は、いきなり!

「あやしいお宝探検隊」にモードチェンジ(笑)

   人が住んでいたと思われる跡
   人が住んでいたと思われる跡

 

「武田信玄の隠し財産があるかも!?」
「お宝発見したらど~しよ~!」

 

子供たちは、あやしいモノが大好きです。何だか顔つきさえ、あやしく変わっています(笑)。

最後は細々と昭和初期まで続いたという、金鉱を探し歩いてワックワク♪

 

 

最盛期には「川尻千軒」(←ここに、千軒の家があった)と呼ばれた場所ですがーー

今や跡形もなくさびれて、ほとんど人が入らないと思われる荒れた山裾の森を、みんなであ~だ、こ~だと、イメージを膨らまして歩きます。

 

子供達の頭には、どんな映像が映っていたのでしょう。

残念ながらお宝を見つけることは出来なかったけどーーイメージフル回転の、1日のしめくくりとなりました。

 

精進湖・本栖湖の山と森を楽しみながら、タイムマシンに乗れた?1日。

子供たちからまた、Happy Villageにたくさんのパワーをいただいた日でもありました。

ありがとう、みんな。また会おうね!